現在、「武隈善樹作品展 ものがたる風景から」を開催中です。
建物の前で走る人。ごくごくありふれた日常の風景。しかしながら、全体を眺めているうちに、ふと作者にしか知りえないような物語があるのではないかという気分になり、様々なシーンを連想する。
武隈善樹の個々の作品には私的なメッセージや物語がある。絵の中に具体的に描かれている場合もあるし、隠れている場合もある。どうして描いたのですかとお聞きしてみないとわからない場合もある。「つかめるようで、つかみどころがないようにもおもえる」。それがまさに武隈善樹の作品の魅力。
武隈作品をずっと眺めていると、ちょっとした違和感や表現などに気付く。例えば、この絵を眺めていただきたい。
ずっと眺めていると木々や石に点々の表現があることに気付く。石などの質感表現だと感じるけれど、木々にまでこの表現があるのは、少し不自然。実際絵をまじかで眺めると、この点々は絵具を散らした感じでもなく、かといって手書きで描いたような感じにもみえない。自然にみえて、不自然な何ともいえない表現。ではこれは何か?武隈さんにお聞きすると、「実は制作中に雨が降ってきた」とのこと。その雨の跡がこの絵にそのまま残っているそうだ。
なんだか「ほっ」とする話。。。と同時に、面白い絵の世界に鑑賞者をいざなってくれる。これぞ武隈ワールド。
セレネにお越しの際は、ぜひ、たちどまって鑑賞してみてはいかがでしょうか?
【開催日時】10/11(日)~10/24(土)9:00~17:00(最終日~15:00)
【会場】1Fオープンギャラリー 【入場料】無料
黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館
〒938-0282 富山県黒部市宇奈月温泉6番地3 tel 0765-62-2000 fax 0765-62-2020 mail info_selene@unazuki.org セレネHP