悠久の黒部より
セレネ美術館は「黒部峡谷の大自然を、絵画芸術を通して未来へ伝える」を基本理念に
この趣旨に賛同いただいた平山郁夫・塩出英雄・福井爽人・田渕俊夫・竹内浩一・手塚雄二・宮廻正明の7名の日本画家と一体となって、
実際に黒部峡谷を取材しながら新たな作品の創作に取り組んでいます。
これまで完成した作品は常設展示しており、画家が作品に込めた様々なメッセージを
多くの人に受け取ってもらいたいと願っています。
平山郁夫
ひらやま いくお
幻の瀧
重厚な色彩で荘厳な風景を描かれます。ほのかな光に満ちた世界はあたかも浄土のようです。
黒部の取材では、ヘリコプター、トロッコ電車、上部軌道鉄道に乗り、あちこちを精力的にスケッチしていただきました。大変な集中力で描く姿が印象的でした。
1930年 広島県生まれ
日本美術院理事長、東京芸術大学学長、文化財保護振興財団理事長、芸術研究振興財団理事長
ユネスコ親善大使、ユネスコ事務局長文化遺産担当特別顧問等を務める
2009年12月2日逝去
画家紹介
塩出英雄
しおで ひでお
遠山初雪
みずみずしい色彩で描かれたのびやかな風景は、いつまでも見ていたくなります。
黒部の取材では、山々の風景をゆったりとした筆運びで描きながら、ただ対象を写すだけでなく、そこに自らの強い思いを込めておられます。
1912年 広島県生まれ
帝国美術学校(現武蔵野美術大学)にて、奥村土牛に師事する
日本美術院理事長代行・武蔵野美術学園長等を務める
2001年3月20日逝去
画家紹介
福井爽人
ふくい さわと
黒部河口
美しい色彩で、見る人を惹きこむ幻想的な風景を描きだします。
「黒部河口」の取材では、東京から車を運転して何度も訪れ、日本海に夕日の沈んだ一瞬を描かれました。
1937年 北海道生まれ
東京芸術大学にて、平山郁夫に師事
東京芸術大学教授を務める
現在、日本美術院同人・理事、東京藝術大学名誉教授
画家紹介
田渕俊夫
たぶち としお
S字峡
流麗な線と色彩で一瞬の感動を捉え、強さを秘めたしなやかな美の世界を現出されます。
黒部の取材では、十字峡やS字峡、あるいは氷筍など険しい地点を描かれるため、山小屋に泊まられることが多かったです。
1941年 東京都生まれ
東京芸術大学にて、平山郁夫に師事
東京芸術大学教授を務める
現在、日本美術院同人・代表理事(理事長)、東京芸術大学名誉教授
画家紹介
竹内浩一
たけうち こういち
銀の淑
繊細な色彩で生命の形を描きつつ、その奥に潜む無常をも見つめているようです。
黒部の取材では、野生のニホンカモシカを描きたいとのご希望で、宇奈月にカモシカが出たとの電話を受けると、すぐさま京都から車で駆けつけスケッチされました。
1941年 京都府生まれ
新鳥社に入塾し、山口華楊に師事する
京都造形芸術大学教授、京都市立芸術大学教授等を務める
京都市文化功労者。現在、日展評議員
画家紹介
手塚雄二
てづか ゆうじ
幻の瀧
大胆で迫力ある画面から、どこかおぼろげな雰囲気が漂い、見る人の心を強く惹きつけます。
黒部の取材では、幻の瀧など険しい場所を描くため、トレーニングをしていただきました。また、一枚に時間をかけて描かれるので、そのスケッチは大変丁寧で美しいのです。
1953年 神奈川県生まれ
東京芸術大学にて、平山郁夫に師事する
現在、日本美術院同人・業務執行理事、東京芸術大学教授
画家紹介
宮廻正明
みやさこ まさあき
三希月廻
好奇心旺盛に様々な対象を見つめ、やさしい物語を生み出されます。また裏彩色の技法によって描かれた作品は、淡い色彩が幾層にもなって立ち表れ、見る人を絵の奥へと誘うかのようです。
黒部の取材では、人間もしくは建造物と自然とが対話しているような題材を好んで描かれます。
1951年 島根県生まれ
東京芸術大学大学院にて、平山郁夫に師事する
東京芸術大学教授を務める
現在、日本美術院同人・業務執行理事、東京芸術大学名誉教授
画家紹介